まいにち。まいにち。

「誰からも頼まれもしない」ことを勝手にしよう(森博嗣)

Pretend

2020年の4月に書いたブログから半年以上経過した。世界はまだこの感染症から脱しきれてはいない。とはいえ、予想をはずれてよいことがあった。それは有効性のあるワクチンが開発され、承認を受け(これも驚き)、スケールアップされ(ここが一番の驚き。これだ…

内藤礼 うつしあう創造 @金沢21世紀美術館

金沢21世紀美術館に内藤礼展を見に行った。 レビューを書いておいてなんですが、あらかじめほとんど情報は入れなかったのが正解だった気がするので、これから見に行く予定の人は事前に情報を入れないで見に行くことをお勧めします。 「内藤礼 うつしあう創造…

原田マハ×高橋瑞木

5/10のインスタグラム上で行われた小説家の原田マハさんと香港のCHATのキュレーターを務める高橋瑞木さんの2時間のトークを聞く。 今後アーカイブとして残してほしいと思うほど充実した時間だったのだが、このあと残るかわからないので記録のために印象に残…

Before/After

1月の初旬に新型肺炎のニュースを初めて見たとき、ここまで世界中に広まることを考えてはいなかった。どこか対岸の火事。それがアジア、ヨーロッパそしてアメリカと広まるにつれて、事の重大さが改めて浮き彫りになった。 日本はアジアからの水際対策に成功…

あいちトリエンナーレにて

8月と10月の2回あいちトリエンナーレに行った。始めに訪れたのはこのトリエンナーレを最初から最後までにぎわした不自由展が中止になった後(8月10,11日)、それから抽選という限定的ではあるものの、再開した後(10月13、14日)だった。 これまで芸術祭という…

2017年に読んだ本のこと

2017年の振り返りと2018年についての展望について書き始めたものの、きりがなくなったため、これらはまた別の記事によるものとしてここでは読んだ中でも特に印象に残った本を紹介する。 ・高坂正尭「外交感覚」 本書は1977-1995年の約20年間を一月ごとに著者…

時が過ぎるのではない、人が過ぎるのだ。

「Fall」 落ちる 水の音 木の葉葉は土に 土の色にやがては帰って行くだろう 鰯雲の旅人はコートのえりをたててぼくらの戸口を通りすぎる「時が過ぎるのではない人が過ぎるのだ」ぼくらの人生では日は夜にぼくらの魂もまた夕焼けにふるえながら地平線に落ちて…

雲をつかむ話

期日前投票を済ませてきた。 選挙の行方は人の動きのみを端的に追うだけで残念ながら政策については語られていない。特に、新たに生まれた党があったためにそちらの動向が取りざたされる傾向にある。開票が始まるまでどうなるかを予想することはしないが、結…

西海岸で訪れた美術館など

しばらく時間が空いてしまったが、サンフランシスコ、シアトル、ポートランドで訪れた美術館などについて書いていく。 ○SFMOMA (San Francisco)サンフランシスコにもMoMaがある。肝心のNYのMoMaはまだ訪れたことがない(入場列が多すぎて断念してしまった…

西海岸にて

会社の研修と休暇で1週間ほど西海岸(San Francisico、Seattle、Portland)へいってきた。その場を訪れて感じたことなどを以下かいていく。 ・San Francisco日本よりもおおよそ5度から10度ほど寒かった。特に朝晩が。 SFは坂が多く、東京の●●ヒルズとヒルが…

グランドツアー報告会(ミュンスター、ドクメンタ)

松戸のParadise airにて2つの国際アート展の長谷川新さんによる報告会があったので聞いてきた。 paradiseair.info 以下ざっくりとしたまとめ *** ミュンスター(Skulptur Projekte) https://www.skulptur-projekte.de/ ●成り立ち 10年に一度開かれる。1977…

fakeイベントとの付き合い方

最近立て続けにフェイクイベントが起こった。具体的にはfbやTwitterなどで盛り上がりを見せており、実際に見に行くとそれなりに人はいるものの、中身が伴っていない展示やサービスだ。 これらに共通して行われていたことは、fbやTwitterなどでの感想があふれ…

めくるめく写真展

普段展覧会やギャラリーに行くときには、それほど意識して行きたい展示を選別することはないのだが、今年に入って写真展や関連のイベントに行くことが多いことに気付いた。 ざっと上げると 1.快楽の館 (篠山紀信) 原美術館 2.ジェイコブ・リース展 @Ribe K…

みずのき美術館と凧揚げ

京都からJR山陰線で半時間ほど行ったところに亀岡駅がある。 そこから徒歩で10分ほど歩いた道と道が交差する、その場所にこの美術館がある。 www.mizunoki-museum.org 日曜なのである程度の人の入りは覚悟していたのだが、行ってみると私一人だった。係の方…

「破壊しに、と彼女たちはいう」トーク 長谷川祐子×エリイ(Chim↑Pom)×スプツニ子!

キュレーターの長谷川祐子さんが最近出版した女性アーティストへの批評をまとめたトークショーに参加してきた。 「女性×アート」 エリイ(Chim↑Pom)×スプツニ子!×長谷川祐子 トークイベント | 青山ブックセンター ゲストはChim↑Pomのエリイさんとスプツニ…

街を歩くと、物語が立ち上がる(多和田葉子 新作刊行イベント)

神楽坂で多和田葉子さんの新作「百年の散歩」の刊行記念イベントに参加してきた。 多和田葉子×松永美穂「街を歩くと、物語が立ちあがる」 in東京 - パスマーケット 以下メモの書き起こし。 *** ドイツではハンブルクとベルリンに住んできた。 ハンブルグは生…

いとしいものにさよならをいう

思えば5年ほど前のクリスマスに当時好きだった人に啖呵を切ったことが始まりだった。言葉に出せば、その通りになるものだ。 その啖呵が自分のこれまでを決定付けたのかもしれない。 漠然ながらこの国を出る、ということを決めていたのは、自分が空気というも…

ストックホルムとヘルシンキにて

オスロから1時間足らずでストックホルムへ。ここには3時間くらいのトランジットがある。 3時間で市内観光などほとんど難しいだろうな、とあきらめていたが、中央駅と空港を30分弱で結んでいる特急列車Arlanda Expressがある。 ストックホルムで訪れたい場所…

オスロにて

オスロ空港のホテルで洗濯をしながら、さて、ここでは何をしようか、と考える。 ノルウェーの4泊5日の時点ですでにやりたいことをやりつくした感があり、オスロではムンクを見る以外のことを考えていなかった。 初めて海外旅行をしたときは大学の卒業旅行だ…

Denmarkにて2/2 (Copenhagen、Ribe)

ミーハーなので、有名なレストラン、Nomaへいく。2月末で別の場所に移るようだが、この日は営業していた。ランチの予約をキャンセル待ちでしていたのだが、残念ながら空きは出ず、外から眺めるだけだった。場所は橋のたもとの古い建物にひっそりとNomaとかい…

デンマークにて

コペンハーゲンに向かうトランジットで保安検査の準備をしていたら手前でうっかり空きが出てしまった。いそいそとしていたら「Take your time」と声をかけられる。 海外旅行が久しぶりすぎて3年ほど空いてしまったが、時間に通りに滞りなく進むことが当たり…

金沢の喫茶店で魔女に会う

金沢にはもう2度ほど訪れている。きっかけは北陸新幹線の開業だった。けれども、その後、新幹線の盛況により航空機の乗客率が下がっており、割安になっているというニュースを目にして、夏休みに金沢を訪れてからその魅力にとりつかれて、2014年の夏休みに金…

Do not go gentle into that good night

年があけてしまったが、2016年を振り返って、思うころを考えてみたい。 ●想定外(?)の状況 英国がEUから離脱したり、アメリカの大統領にトランプ氏が選ばれた。また、東京都知事が変わり、オリンピックや豊洲市場などの都内の大きなイベントが混沌とした。こ…

2016年に読んだ本のこと

2016年も色々な本を読んできた。特に印象に残ったものを紹介する。 昨年はこちら。 schole.hatenablog.com 1.ガイトナー回顧録 昨年はイラク戦争がなぜ検証されずに、間違った方向に進んだのかについていくつかの本を読んだが、今年は金融危機についての回顧…

みえぬものこそ

アメリカの大統領選が終わり、少しづつ日常に戻りつつある。正直なところ、接戦まではいくと予想していたものの、それでも6:4くらいで勝つと思われていた候補者が敗北する、(総数では勝っていたようだが)という光景に呆然と立ち尽くす以外なかった。 そも…

引き出しにしまうもの

少し前に読んだ金原ひとみの「持たざる者」の中にこんなセリフがでてきた。 「 人生の中で何か、強烈な感動を一度でも体験した人って、その時の記憶だけで生きていけるんじゃないかって気がするの。 例えばグランドキャニオンとか、マチュピチュとかに行って…

茨城県北芸術祭(山側)に行ってきた。

11月20まで開催中の茨城県北芸術祭に1泊2日で山側に行ってきた。 前回は海側に行った。 schole.hatenablog.com 山側も海側同様巡回バスが出ているものの、広範囲に点在しているため、ダイジェストバスツアー(じっくり山コース)を利用した。 出発は9時30頃…

茨城県北芸術祭(海側)に行ってきた。

少し時間が経過してしまったが、北茨城で開催されている茨城県北芸術祭(以下通称kenpokuと表記)に行ってきた。 KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭 kenpokuは大きく分けて山と海の2方面での展示がされている。 今回は海側の展示を回った。海側の展示は日立が…

The shape of voice

聲(コエ)の形をみた。 ※内容を含みます。 最初予告を見た時にはよくあるパターンの恋愛話だろうと思い、あまり見るつもりはなかった。ただ、映画をたくさん見ている方が褒めていたので見ることにした。 www.youtube.com 予告編は聾唖の女性への恋物語だっ…

原美術館「快楽の館」と東京都写真美術館「ロスト・ヒューマン」

原美術館で開催中の快楽の館と東京都写真美術館で開催中のロスト・ヒューマン展を見てきた。 どちらも写真家による展示で、片方はヌード、もう片方は33人の専門家が見た文明の廃墟、と両極端の展示でありながらも近いものを感じたので各展示で感じたことを書…