まいにち。まいにち。

「誰からも頼まれもしない」ことを勝手にしよう(森博嗣)

旅の余韻

ロンドンを1週間ほど旅行した。
旅の途中ではまだ時間はある、と思いながらも、帰る日になってここも行っておけばよかった。と思える場所がいくつもある旅行だった。かといって、不満があるわけではない。

Tate Modernではムンクとダミアン・ハーストをじっくり見られたし、(日本だったらこうはいかなかっただろう)、Courtault gallery ではマネやゴーギャンやスーラを好きになったり(実はそれまでは嫌いではなかったが、好きというわけではなかった。)、名前も知らなかったけれど、はじめて知って好きになる絵もあった。(例えばTate BritainにあるWalter Richard SickertのMinnie Cunningham at the Old Bedfordだったり、John Singer SargentのCarnation, Lily, Lily, Roseだった)そういう偶然もまた楽しい。
日本での飾るために用意された空間にかけられた絵を見るのと、元々そこにあるべき姿で収まっている絵を見るのはまた別物だ。

また、至るところにある日よけとなる大木と芝生があり、そこで各々がおもいおもいの時間を過ごしている風景はとてもリラックスできたし、僅かな時間ではあるけれど自分もその中に身をおいた。
中心部から少し離れたRavenscourt Parkから降りてテムズ川が見える小さな公園からの眺めではLondon Bridgeからみるそれとはまた違って、ゆったりとした時間が流れていた。

滞在中は大きな悪天候も起きず、ロンドンといえば年中曇りっぽいとの想像は良いほうに裏切られた。また、日本よりも湿度が低く、日中は汗をかくものの、過ごしやすい気候だった。食事もそれほど予想外なものは口にしなかった。特にMark&Spenserで売られていたジェノベーゼは好きな味だった。

空港に向かいながら、一度訪れれば満足できる場所というのは元々それほど自分にとってはほどほど場所で、むしろもう少しここにいたい、と思えるくらいの場所がいいのではないか。もう一度そこを訪れることでもっと楽しめるはず、と考えを変えた。

半日もあれば着くのだ。今回やりたかったことは次回やればいい。
バイバイロンドン。また訪れるその日まで。