あたらしいふつうをつくる
最近土曜の夜に聞いているラジオがある。J-waveのmakeit21という番組である。
その番組では毎回ゲストに第一線で活躍している若手な経営者が登場し、進行役のビジネスコンサルタントのショーンKさんがインタビューするという形式がとられている。
昨日のゲストはTokyo Otaku Modeの亀井智英さんだった。
私自身は検索するまで知らなかったのだが、2011年に3月に公開後、現在Facebookでは1100万以上のLikeがされているようだ。
そして特徴的なのは、最初から世界に向けて情報を発信することを目標にしたため、1000万Likeのうち、日本国内でのLikeはまだ数%に過ぎないという。にもかかわらず、世界ではかなりの認知度を得ている
サービスの開始からこれまでの経緯についてはこちらの記事が詳しく書かれている。
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インタビューの中で気になったこと
サービスを開始して認知度が高まり、様々なVenture Capitalから声がかかるようになった。結果的に500 startupsというファンドに出資してもらうことになる。
日本の投資家は「マネタイズ(どう稼ぐか)」に重きを置いて質問されたが、500~ではそのような話はきかなかったという。確かに、資金を調達するには投資家に対してどう稼ぐかを説明できる説得力が必要だろう。だが、500~ではそれはなかった。
インタビューの中ではその違いについては特に深く聞かれてはいなかったが、facebookの立ち上げから軌道に載せるまでを映画化した「Social Network」にもどう稼ぐか、については深く描かれていなかったようだった。(多少のフィクションもあるし、映画というエンタテイメント作品においては分かりづらいことは省いたのかもしれないが)
Millionaireではなく、Billionaireを目指せ、と投資家から話を受けるシーンはあった。ただ、まだその時facebookは上場していなかった。それよりも、映画の中で一番印象的だったのは、あれよあれよという間にfacebookを使う人の数が増えていったことだった。
どんなに投資家に上手に稼ぐ道筋を描いても、実際に上手く使ってくれる人が集まらず、収益化しないこともある。しかし、facebookやtokyo otaku modeのように既に一定数の人が当たり前のようにそのサービスを使ってくれるのであれば、収益化までにはそれほど時間がかからないのではないか。逆に言うと、一定数継続して利用してくれる人が生まれるようなアイデアがしっかりしていなければ一過性のサービスに終わってしまうのではないか。。などと感じたのだった。
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最近気になるつぶやきをみつけた。
SNS辞めたくてたまらないんだけど、連絡手段としてこんだけ普及しちゃっているから辞められなくて、こんなの作ったひとは本当に天才だと思う。欲しいじゃなくて必要なんだからね。
— Nanamiさん (@Nanami_orange) 2013年5月12日
それがあることが当たり前になると欲しい、というよりも必要になる。本当は使いたくはないけど、なくてはならない存在。
「あたらしいふつうをつくる」というコピーは日本郵政のものだけれど、サービスだけではなく、技術についてもそれが言えるのだろう。
当たり前に受け入れられるもの(ふつう)、それが一番強い。