まいにち。まいにち。

「誰からも頼まれもしない」ことを勝手にしよう(森博嗣)

夏⇔秋

暦上は秋なのだろうが、ここのところ秋という感じがしない。蝉はもうとっくにいなくなり、夜は虫の音が聞こえているのに、昼間はぐずついた曇り空が続いている。

 

夏はここ数年で大きく変わり、毎日のように夕立がおとずれる。

少しずつ気温も下がってきているのに昼間の気温は30度は超えないようにはなってきた。けれど空はいつまでも雲が覆ったままでいつまでも湿度が高いままである。湿度が高いと少し温度が下がったとしても蒸し暑く感じてしまう。

いっそのこと雨が降ってくれればいいのに、降りそうで降らない。

湿気を含んだ服に扇子で風を通しながら、秋らしい秋が来るのを待ち望んでいる。

 

私が思う秋に似合う天気は秋晴れという言葉があるように、天高く快晴の空にところどころに雲がある、夏の快晴よりも少しだけ落ち着いた天気のことだ。道を歩けばどこからか金木犀の甘いにおいがする。落ち葉の匂いをかぎに山に登りたくなる。

連休用に調整される前の体育の日(10月10日)はよく一年のうちで晴れになることが多いので10月のイベントといえば運動会だった。しかし、残念ながら今年の10月になってからは屋外で運動をする天候とはいいがたい。

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土曜(5日)は冷たい雨が降っていたけれど、日曜(6日)は午後から持ち直し少しの間だけ天候が回復した。

そのとき、アブラゼミとツクツクホウシが一匹ずつ僅かな機会を分け合うように鳴きはじめた。残念ながら彼らの胸には雨水が入ってしまっていたのか、くぐった音でもうあまり先が長くないようだった。真夏に夜中まで鳴いていたそれとは別物のように感じられた。

蝉がいつ、どのような時に鳴き始めるのかは知らないのだが、彼らにとってあの刹那だけは夏の気候近いものだったのだろう。

 

記憶をたどると今年はまだ台風が一度しか通過していない。

前に通り過ぎた台風の後にはほんの数日だけ秋の陽気が訪れた。

もう季節は秋だけど、台風があと数回通り過ぎるまでは私が好きな秋がやってこないのかもしれない。