ブラインドネス
最近久しぶりに眼科に行き、ドライアイ用の目薬を処方してもらった。
元々胃薬に使われていた成分が目の乾燥の修復にも効くことがわかり、承認がおりて処方されるようになったという。
普段使用している目薬は無色透明が当たり前だったけれどこの眼薬は白濁している。そのため、さしてから薬剤が行きわたるまでの間(数回瞬きをすればなおる)、世界が白に包まれる。
とはいっても雪景色の中に迷い込むような錯覚に陥るのではなく、instagramの水滴のマークで選択した周囲をぼかすエフェクトをかけたときに一瞬白くぼやけるが、あれをしばらく持続させた感覚だった。
目薬を入れていて思い出したのが、「ブラインドネス」という映画だ。(原作はジョセ・サラマーゴの白の闇)
謎の伝染病により視界がぼやけてしまい、感染した者は目の前が霧の中に包まれたようになる。映画の中にもぼんやりとした白で包まれるという描写がされていたように記憶している。(いわゆるサスペンス映画のような設定ではあったけれど、娯楽作品のように楽しむのとは違っていた。ただ詳細については忘れてしまったのでそのうち見なおしてみようと思う。)
目が見えることがあまりにも当たり前のことなので、目薬を入れる度にいつもと違った風景が見られるのが少しだけ面白い。もちろん直ぐに白に包まれた世界が元通りになるから楽しむように感じただけで、これがもし数分でも治らなかったら逆に不安にかられてしまうだろう。