まいにち。まいにち。

「誰からも頼まれもしない」ことを勝手にしよう(森博嗣)

よりみちと探究心

青山ブックセンターで行われた紺野真×平野紗季子のトークショーに行ってきました。

 
 
紺野さんはアメリカで飲食店のウェイターや、ソムリエを経て料理の道へ進んだ方。
 
 

 

 平野さんは食べることが大好き(pure foodie)で食べ物に関する文章を書いている方

fatale.honeyee.com

 
平野さんの著書「生まれたときからアルデンテ」について以前書いた記事
(一番最後に書いてます)

schole.hatenablog.com

 
今回紺野さんがお店で出しているレシピを出版することになり、その記念として行われました。
平野さんは聞き役でした。
 
話が色々な方向に飛んでいっているので印象に残っている話をまとめる。
 
・本について
料理ごとにコメントが書いてあるのだけど、「この料理は○○さんにおしえてもらった」と書いてあるのが
謙虚な性格が表れている。普通はそういうことは書かないと思う(平野)
 
店のレシピをそのまま載せているので、忠実にやれば店の味が出ます(紺野)
そんな簡単にだせませんよ(と突っ込みを入れる) (平野)
※一番手軽にできそうなものはキャロットラペだそうです
 
 
・基本に立ち返る
週に一度、店の中で担当者を決めてまかない料理をつくり、みんなで食べる。その中で基本的な自分たちのルーツ(フランス料理)に立ち返る。
 
・世界の料理について
インフラが発達してどこへ行っても同じような食材が手に入るので、各国ならではの料理は少なくなってきている。各国の色が混ざって灰色になっている。(均質化している)しかし、形だけ外から取り入れてもきれいな灰色にはならない(おいしくない)。なので、少しでもその国の色のきれいな所をとりいれていきたい。
(紺野)
 
・狭く深くか、周辺にむかうか
カフェを仕事にする人は大きく分けて二種類ある。カフェの専門を突きつめていく人と、カフェの周辺に行く人。(食事の中のカフェとしてとらえ、食事も出す)どちらかを選ぶ前に壁にぶつかる、と思う(紺野)
 
 
・寄り道のすすめ
車で移動していると移動中ただの景色になってしまうが、歩いたり自転車で移動すると、思わず寄り道をしたくなる。寄り道をすると予想もつかないことに出合ったり、アイデアがわく(紺野、平野)
 
・おいしいものの探究
アメリカで生活していたころに、移民の人が移民の人だけに出すような料理を食べに行っていた。
韓国料理屋を訪れた時、全く文字が読めないながらも、ビビンバを注文して食べた。常連になった頃、ビビンバの食べ方を教わった。隣で食べている人の料理にも誘惑され、もっといろんなものを食べてみたいという気持ちが募り、韓国語の勉強をはじめた。(紺野)
 
・透明な存在
好きなお店の中にいると、この空間にいるだけで幸せなので、店の中にいるときはなるべく目立たないでいたい。
それでも何回も通って店の人から何回か来てくれている人として対応してくれるのもうれしい。(紺野、平野)
 
 
・その他
店の良さは味よりも、そのお店でいい時間を過ごせているかを重視する(接客・サービスがすべて) (紺の)
紺野さんの人柄はTwitterのつぶやきにあらわれている。(平野さんが選んだ紺野さんのつぶやきを集めた紙が配布される)
 
***
紺野さんは会場で初めてその人となりに触れましたが、平野さんの言葉や受け答えから紺野さんの人柄と料理の素晴らしさが伝わってきました。
お店にも近いうちに行ってみたいと思います。
 
平野さんは「生まれたときからアルデンテ」の文章から想像するそのままの人でした。終始にこやかで誰からも好かれそうな人でした。
お二人とも食べるのは仕事でもありますが、根本的には人そのものが好きなのだとも思いました。
 
特に印象に残った話題は今回のタイトルに選んだ寄り道(検索したものだけをみるのではなく、寄り道もしてみる)と探究心(現地の中に飛び込み、自分で確かめる)は料理に限らず大切なテーマだと感じています。「容易に手に入るものほどあっという間になくなってしまう」という言葉があるように、自分の目で良いものも悪いものも色々経験できるうちにしておかないとな、
と思う次第であります。
 
 村上春樹さんのQ&Aサイトで似たようなことが書いてあった。
 
 

www.welluneednt.com

 
 

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生まれた時からアルデンテ