まいにち。まいにち。

「誰からも頼まれもしない」ことを勝手にしよう(森博嗣)

茨城県北芸術祭(山側)に行ってきた。

11月20まで開催中の茨城県北芸術祭に1泊2日で山側に行ってきた。
前回は海側に行った。
 
山側も海側同様巡回バスが出ているものの、広範囲に点在しているため、ダイジェストバスツアー(じっくり山コース)を利用した。
 
出発は9時30頃で、帰りは19時の予定だったが、途中予定よりも遅れがあったものの帰りがスムーズだったため、20分ほど早く駅に到着した。
 
メリット
見るべきところが点在しているので、効率的に回るのには適している。
添乗員さんがあらかじめ作品がどこにあるのか見落とさない様に場所を教えてくれる。
 
デメリット
あらかじめ予定時刻が組まれているため、各場所で見学時間が決まっているので、場所によっては十分に見られない。
旧家和楽青少年の家は並ばないとみられない展示があるので注意。
 
その他
海コースと山コースはそれぞれ人気が出てきており、満席が続いているという。(ので当日申し込みはせずに事前に予約したほうが吉)
10月中旬から後半になると袋田の滝など芸術祭とは別に紅葉で観光にくる人も多く予想されるため、見学と混雑が予想される。(私が訪れた時はまだ余裕があった)
山コース、海コースはともに同じ弁当になっている(飲み物は各自で用意)
 
 
ダイジェストツアーの山コースには含まれていなかった常陸太田駅周辺の展示は最寄り駅のレンタサイクルで回った。(4時間まで300円)およそ4時間かけて20㎞ほど回ったが(松平町休耕地、管理センター、パルティホール、鯨ヶ丘地区)、休耕地や管理センターまでは起伏がある。また、自転車は電動つきではあるが、1時間ほどしか持たないので、利用する場合は比較的近い鯨ヶ丘地区とパルティホールまでとした方がよいと思う。
 
 
以下印象残った展示・場所を紹介
 
 
Black field(Zadoc Ben-David) 旧家和青少年の家
白い砂の上に、おびただしい数の針金で作られた草木が植えられている。正面は黒だが、裏側は鮮やかな色が描かれている。
見る場所によって刻々と移り変わっていく景色は壮大で、草と同じくらいの大きさになってこの原っぱに紛れてしまいたい気持ちにもなった。
 
旧上岡小学校
NHKの朝ドラや Girls und Panzer(映画)などのロケ地として利用されている旧小学校。以前箱根の旅館に宿泊した時に、この小学校と同じような作りをしていたことがあってとても懐かしく、また木に年月を感じさせる重みがあると同時に温かみのある場所だった。(校庭が駐車場となっていて、建物全体を写真に収められなかったのは少し残念だった。)

https://www.instagram.com/p/BLVOJqhAFJD/

#garupan

(映画を見た人ならわかるあの人の席)

 
道の駅 常陸大宮 かわプラザ
道の駅にも作品があったのだがなんといっても、丁度太陽が沈むころに到着して、真っ赤に焼けた太陽光が雲を茜色に照らしていた。刻々と変わりつつある空の色に思わず見とれてこの場所で多くの写真を撮った。前にも書いたけれども一過性のアートよりもやはりその場所にある自然が作り出す風景には畏敬の念を抱かざるを得ない。と感じさせられた時間だった。
 

https://www.instagram.com/p/BLVc7jsgQPx/

Instagram

(日が落ちるまで1分おきくらい写真を撮っていたような気がする)

 
鯨ヶ丘地域
原高史 sign of memory
鯨ヶ丘の名はその地域が鯨のような形をしているところから名付けられたという。また、丘という言葉がついているように、駅から歩くと小高い丘の所にあるレトロな商店街になっている。
通りに面する建物の窓にはピンク色を背景にして建物に住む人たちにインタビューして得られた生の声が印刷している。土地の歴史から、建物の歴史まで。今住んでいる場所をどのように感じているか。おそらくインタビューを映像にとってそれをそのまま見せるという形式もあるだろうが、それよりも、窓に印刷した文字を読ませるという手法は意外と見る人に文章を読ませる時間を与えていて、映像のように窮屈ではない。また、建物ごとに書かれる言葉は変わっているので、道路に置き忘れたような立て札よりも興味を持って見ることが出来る。
 

https://www.instagram.com/p/BLXkW8pAePr/

鯨ヶ丘 #kenpoku

旧上岡小学校と同じくロケ地として利用できそうな雰囲気のある場所だった。
 
 
様々な人の属性の人たちのある日の一日のタイムラインを色分けして展示する。311のものだったり、新しい命が生まれた時だったり、まもなく死に向かう人であったり。どこかで必ず経験しているだろう一日のタイムラインを眺めると、人はそれほどかけ離れた生活をしているのではないな、と思うのだった。

https://www.instagram.com/p/BLX0-I_gqiD/

生と死のtimeline #kenpoku

左が死に近い方、右が出産した赤ちゃんのタイムライン。
色は違えど生活スタイルは似ている。
 
***
山と海両方見た感想としては、どちらにも良い作品があったのでできれば両方回ってほしい、ということ。
そして芸術祭だから一応の主役はそこに展示されている作品だけれども、そこにある自然には勝てないなと改めて感じる。
1日ですべて回りきるのは難しく、レンタカーでも2,3日はあったほうが良いと思う。車で回らない人は巡回バスやダイジェストツアーをうまく利用すればよいだろう。
 
まだ期間はひと月ほど残っているので週末の小旅行におすすめです。